35歳の時に立ち上げたカフェジンタ。
今思えば最初は本当によちよち歩きの商いで、親しい友達や事業をされているお客さんや親交ある多くのミュージシャンに支えてもらってどうにか営業していました。
あれから11年。
一人で立ち上げたお店も、一人二人とスタッフが増えていつしか総勢7名のスタッフたちで運営するようになりました。
なぜまた急に思い返しているのかって、自分でもよくわかならないのですが…。笑
総勢7名のスタッフを抱えるようになると、当然ながら仕事もスタッフたちに任せるようになります。
そうすると、自分一人や奥さんと二人でやってたころには当たり前だったことに、思いがけず躓くことが増えます。
第3者が参加するようになって夫婦でいかに多くのことをツーカーでやってたことかを知りました。
そうして、たくさんのことをマニュアル化したりシステム化したりし、ルール作りを行ってきました。
スタッフの人たちに、それらを遵守して仕事してもらえれば、店の運営がスムーズになるのかと思ってました。
ところがどっこい、そうもいかないもんですね。
システムやマニュアルで縛るだけでは、経営者とスタッフの間に労使の溝が鮮明になっちゃいます。
カフェジンタのような小さい店では労も使もないチームの一体感がとても重要だと思います。
悩みましたね〜。悩んだ時は先駆者に学べですよね。
経営者はもちろん政治家、ミュージシャン、歴史上の人物など、いろんなリーダーの生き様に学びました。
リーダーそれぞれがとても個性的で魅力的、そこに惹かれて人は集い感銘して従っていく。それがやがて大きな力を生んでいきます。
僕にそんな個性もないし、魅力があるともとてもじゃないけど思えない。
だけど、あきらめる必要がないことに気づきました。
これらリーダーに共通する大きな要素があり、そもそもそれが個性となり魅力を高めていってるといっても過言ではないと思います。
その大きな要素とは…。
確たる理念を持ってること。
これなんですね。
ひとえに理念といっても人によって一文にまとめている人もいれば、簡潔に四文字で表現している人もいる。数項目を掲げる人もいる。
偉大なリーダーたちの理念を調べているだけでも、随分面白くって時間もいくらあっても足りません。笑
そんなことしてたらいつまでたっても自分の理念確立にたどり着くことはできないですね。
実を言うと、随分前から長い時間をかけて、理念作りには取り組んできました。
今日、そのことをブログに書いているのは、ようやく私たちカフェジンタとしても掲げられる理念が出来上がったからなんですね。
長々と書いてきましたが、ここでようやくお披露目とさせていただこうと思います。
カフェジンタとしては、まず公理を定めることにしました。
基本理念を定める前提としての考え方です。
食は生命活動の原動力であり
人類文明発達進展の根源である
そして、基本理念です。
潤いと力満つる滋養時空の提供を本分とし
各個の健康向上を通じて福祉増進へ人事を尽くし
君代の発展に寄与することを目指す
松下幸之助さんが定めた企業理念綱領を大いに参考とさせていただきました。
敢えて堅苦しい文体で書いています。
これはカフェジンタの恒久的な発展を願うもので、時代を超えて大切にしていきたい思ったからです。
とは言え、これでは少し難解で、伝わりにくいということもあるので、スタッフたちには以下のような解説をつけて、キッチンに掲示しています。
(解説)
潤いと力満つる滋養時空の提供を本分とし
潤いの提供とは、喉を潤すのみならず、心を癒やし安らぎを提供をするという意味です。
力満つる滋養の提供とは、空腹を満たすだけでなく、生きる力が漲る活力の提供をするという意味です。
そしてもうひとつ大事なことは、飲食の提供だけがカフェの役割ではないということ。お客様の心を癒やし安らぎを与え、これからを生きる力が漲ってくるような、時間や空間を提供することも、カフェの重要な役割です。
こうしたことを私達の仕事の最も重要なことであると銘肝することが大切です。
各個の健康向上を通じて福祉増進へ人事を尽くし
お客様のみならず、私達スタッフも含め、ジンタに関わる全ての人の健康の向上に努めること、幸福で安定した生活を営める社会づくりに貢献すること、これが私たち仕事を通じてだすべき結果です。
君代の発展に寄与することを目指す
ここで言う君代とは天皇の世という意味ではなく、世界中の全ての人が生きる今そして未来という意味です。
私達は、なすべき努力を重ねていく先に、時代をこえ平和と幸福の実現があると確信することができるのです。
まだまだヨチヨチ歩きのカフェジンタには大きすぎる花火を打ち上げてる感が否めませんが、どんな偉人も生まれた時は乳飲み子です。
この理想にたどり着けるかどうかは、日々どんな生き方をするかにかかっています。理想を信じて歩まなければ、決してたどり着くこともできません。
カフェジンタのこれまでの10年間は人に例えれば少年期でした。これからの10年を理想を持って進んでいく青年期として更に先を目指していこうと思います。