『「今ないもの」について考えるときではない。「今あるもの」で何ができるかを考えるときである。』
Now is no time to think of what you do not have. Think of what you can do with that there is.
by Ernest Miller Hemingway
1961年に亡くなったヘミングウェイが語ったこの言葉、万事において感じ入るところ多いですよね。
ボクがお店をはじめたての頃を振り返っても全くそうで、「今来てくれているお客さん」のことを考えずに「来るかどうかもわからないお客さん」にどうしたら来てもらえるか、とばかり考えてた気がします。
そんなのナンセンスで後から考えればわかる事なんだけど、人間弱ってると薬飲んでなんとかしようとしちゃうんですよね。
今朝、スタバの攻勢をもろともしない自営喫茶店という記事を目にしました。
世の中の風潮や流行、みんなの口コミとかテレビの評判、そんな事に目もくれず「今あるもの」を大切にし、淡々と「今来てくれてるお客さん」に変わらぬ価値を提供し続けてきた喫茶店主たちを取り上げてます。
アローマというお店を経営するコシバ・ジュンコ(Junko Koshiba)さん(63)が来店客にサービスのバナナをふるまいながら、「チェーン店は人間味がないけれど、この店では話そうと思えば他の客と言葉も交わすこともでき、温かい雰囲気がある。」という話が心に響きます。
自分の店でコーヒー飲みながらこの記事を読み、未熟さを痛感しながらもなんとも言えぬ感慨深い気持ちになりました。
ヘミングウェイが語ってから既に50年以上経ち「今までなかったもの」が持て囃されつづけてきた世の中も、少しづつ変わっていってる気がします。
ボクはボクで「今あるもの」を育んでいこうと、改めて思うのでありました。