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近況報告 2019 かあちゃんよく頑張った!後編③
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前回からの続きです。

前回訪れた病院から紹介されて赤十字病院に行きました。
一番で予約を取っていただいた脳外科の専門医の診断室へ。
前日のCT画像を見ながらの先生の所見は髄膜種が疑われるとのことで、さらに精度たかく見極めるためにMRI検査を受けました。
その結果、先生から告げられたことは以下のようなものでした。

・脳の中(左目の奥のほう)にそう大きくない腫瘍があり、髄膜種が一番疑われる。
・それが原因かどうかは定かではないが、腫瘍周辺で脳浮腫が発生している。
(脳浮腫(のうふしゅ、英: cerebral edema、独: Hirnödem)は、脳実質内に異常な水分貯留を生じ、脳容積が増大した状態である。脳腫脹(英: brain swelling、独: Hirnschwellung)も同義である。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
・腫瘍は良性か悪性かは摘出してみないとわからないが、髄膜種であった場合は良性であることが多い。
・髄膜種であったと仮定すると、この腫瘍はおそらく相当以前から発生しており、徐々に成長してきただろう。
・良性の髄膜種であるとするならば、成長も非常に遅いので経過を観察しながら摘出を見送る場合もある。
・周囲に脳浮腫が発生していることから、激しい頭痛は腫瘍そのものではなくこれが原因の可能性がある。
・薬治療のみで脳浮腫を抑えることは難しい。
・総合的に判断して脳浮腫を引き起こしているであろう髄膜種を摘出して解決するのが望ましい。

ほっとしたのが一番大きな感想でした。
正直、詳しいことがわかるまで大きな不安が頭を完全に占拠していました。
敵が何ものかが判ったのが大きかったですが、それにもまして先生から得られる安心感は大きかった。
どちらかというと表情もない方で、ホスピタリティのあるタイプとは言い難い雰囲気の方です。でも、今の僕たちにとってはそれが良かった。
むしろ、職人気質のようなプロとしての仕事へのこだわりと自信のようなものを感じさせてもらえました。
手術を受けるか否かについて、先生から問われましたが、二人で別に時間をとって相談するということもなく二つ返事でお願いしますと答えました。それはこの先生が執刀してくださる事が大きかったと思います。

我が家には9歳の息子と0歳の赤ん坊がいます。娘を懐妊して以来、ずっと不調に苦しみ続けた家内です。
いよいよ姿を現した大敵に、負けるかもしれない不安。
娘の出産以降、私たちはずっと不運に見舞われて来たような気持ちで、まさにこの頃が暗闇のどん底でした。
正直、生きている心地がしませんでした。
落ちに落ちた暗闇の中で、やっと明るい光のようなものを見つけられたような心境でした。
後ろに引かず前に向かって挑むことができたのは、先生への信頼感がなくてはできないことです。

とは言え手術するとなると、頭部を切って脳を持ち上げながらターゲットの腫瘍を取り除こうとわけですから、様々なリスクが伴います。
そうしたリスクについても詳しく説明を受けます。そのリスクを聞いていても、十分と言ってはおつりがでるほど不安になります。
そもそも、開頭するという未知の領域へ踏み込まなければなりませんので、とてつもなく大きな不安でした。

いざ、手術をすると決めると、それからスケジュールがあっという間にたてられていきます。
すぐにオペ室に入るというものではなく、脳の中にある腫瘍を取り除くというのですから、周到に準備がなされます。

まずは、検査入院し詳細の検査を行って、手術の具体的な方針を立てられます。
検査入院では足の付け根から動脈にカテーテルが挿入され首元まで届いたところで造影剤を注入し、MRIで血管の状態を撮影し詳細に情報収集しました。
大きな手術をしたことがない私たちにとってはこれだけでも大手術です。
余談ですが、家内曰く、撮影する瞬間に光る血管が暗闇の中に光る稲妻のように見えるらしく、それがとても美しかったそうです。

この検査での主目的は腫瘍とその周囲にある器官の位置関係を調べることのようで、腫瘍に血管や神経が複雑に絡み合ってると手術も難しくなるとのこと。家内の場合がどうだったのかはわからないのですが、当初予定通り開頭して摘出する決定がされたので、少なくともお手上げということではなかったということです。
この時一緒に脳内の全体で脳梗塞などの脳卒中に発展する可能性のある血管がないかなどもの調べられました。
この検査の報告でそのような血管は見当たらなかったので、手術の際のリスクという面でプラス材料となったのはもちろんのことですが、腫瘍の事をのぞけば、頭部の状態が健康であることがはっきりしたのはよかった事と言えます。

検査入院は3日間だったのですが、その間息子と娘を連れて僕は実家で過ごしました。
娘のほうは今回の事を契機にミルクで育てることになりました。薬を服用するため止むをえないのですが、家内にとってこのことは大きなショックだったろうと思います。

検査入院を終えて、摘出手術まで20日間ほど待つことになりました。手術室のスケジュールが一杯で予約が取れたのが20日後だったからです。
この20日間が僕たちにとっては、なんとも言えない落ち着くに落ち着けない期間でしたが、例の悶え苦しむような痛みに襲われる事なく、手術の日を迎えられたのは幸いでした。

いよいよ手術となるのですが、この続きはまた次のブログで。

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