Jinmas chips

この世界はそんなに悪くないと思うんだ
↓に
 

サッチモことルイ・アームストロング。
この“What a wonderful”なジャズの神様
みんな大好きですよね〜。ボクもモチロン大好きです。

ミュージシャンとして称するのも狭苦しい感じがするほど偉大なサッチモですが、強いて言うなればトランペット奏者でありジャズ歌手です。

そんなサッチモが楽器と出会ったのが、少年時代に発砲事件を起こして収監された少年院だというのは有名な話。

もう少し詳しく知りたくてネットで調べてみたんですが、少年院のブラスバンドへの参加が切欠だったという漠然とした記載が多い中に、いかにもサッチモらしい”What a wonderful”なエピソードが。

    「スタッズ・ターケルによるノンフィクション『ジャズの巨人たち』によると、サッチモがトランペットを始めるきっかけは、少年院の起床、食事、消灯の合図のためのラッパ係でした。特別教育を受けていたわけでもなく、しかも代役で急ごしらえだったサッチモのラッパだったのですが、彼が吹くようになってから、人々は楽しい気持ちで目覚め、安らかな気持ちで眠ることができるようになったといいます。」

from ライナーノーツ・ライブラリー【Part1 ディズニー・ジャズ・ジャイアンツ・コレクション】

このラッパとの出会いはサッチモ自信を幸せにしただけじゃなく、その音楽に触れた人達も幸せにしたんですよね。”What a wonderful!”

実はこのラッパとサッチモの出会いには、長い年月を経たもう一つの感動的なエピソードがあります。

    「コンサートが始まってしばらくたった頃、ひとりの老人がステージに向かって通路を歩き始めたんだ。
    演奏中のサッチモはこの老人に気づくと吹くのをやめ、何故か急に泣き出したんだ。
    老人がステージにあがってバンドのほうに近寄ると、ルイはもう大泣き。その老人は脇の下にタオルにくるんだ何かを抱えていた。
    そして、そのタオルを開けるとルイにボロボロのコルネットを手渡したんだ。それは、ルイが生まれて始めて少年院で吹いたコルネットだった。そして老人は、少年院で彼を教えた先生だったんだ。
    老人が楽器を手渡すと、ルイは彼に抱きつき、二人は泣きじゃくっていた。そして、二人とも大きな声で笑って……。」

from サッチモ関連エッセイ集「サッチモちょっといい話 6」

道具の使用は知性の存在の象徴だと言います。

スティーブ・ジョブスにコンピュータ。
アルベルト・アインシュタインにコンパス。
マハトマ・ガンジーは糸車。

今の時代「モノ」にだけフォーカスすると、それはもう本当に「モノ」が溢れかえってゲップが出そうな世の中です。
でも見方をかえて「人とモノ」の関係にフォーカスすると、「知性の存在の象徴」は素晴らしいものだと思えます。

使い込めば使い込むほど道具って可愛くなってくるもんですよね。
いくら性能がよくても、いくら高価なものでも、いくら稀少なものでも、使い込んだ道具を持つ人にとって、それらが愛器にとって代わることはないんじゃないかな。

bbking
ブルースギターの王様B.B.Kingは愛器を「ルシール」という女性の名前で呼んでいる。

利便性を追求しつづけて来た人間は本当に便利な道具を沢山生み出してきました。
それはそれは便利な世の中になったんですが、ややもすると人間関係を狂わせるような「道具」も出てきて、ちょっと行きすぎ感も一部感じるようになってきました。

人が多くの時間を費やすのであればあるほど、その道具と人の間に「愛」が必要不可欠なんじゃないんかな。
そしてその「愛」をもってして、素手ではできない大きな「愛」を生むこともできるんかも。

この録音でのイントロでサッチモはこう語ります。(ボク訳ですので変なところあったらゴメンなさい)

    “Some of you young folks been saying to me
    若いやつらがオレにこういうんよ。
    ” Hey Pops, what you mean ‘What a wonderful world’?
    なぁ、サッチモさん、「素晴らしき世界」ってのはどういうことなんよ?

    How about all them wars all over the place?
    世界中あっちこっちで戦争やで?
    You call them wonderful?
    これがアンタさんのいう素晴らしい世界なんかい?

    And how about hunger and pollution?
    飢餓もあれば汚染もあるで。
    That ain’t so wonderful either.”
    ちっとも素晴らしいことなんかないんちゃうん?ってね

    Well how about listening to old Pops for a minute.
    そんじゃまぁ、ちょっとこの年寄りの話を聞いてくれるか?
    Seems to me, it aint the world that’s so bad
    オレはそんなに悪い世の中やないと思うで。
    but what we’re doin’ to it.
    そう思ってればね

    And all I’m saying is see what a wonderful world
    オレが「素晴らしい世界だ」って言ってるのはなんでかって言えばだ
    It would be if only we’d give it a chance.
    オレ等がそう信じてチャンスを作ればきっとそうなるんやってこと。
    Love baby, love. That’s the secret, yeah.
    愛やねん。な?愛、ワカル? それが秘訣よ、ええやろ?
    If lots more of us loved each other
    オレらが互いに愛しあえばやで
    we’d solve lots more problems.
    問題も解決するっちゅうもんや。
    And then this world would be gasser.
    そしたら世の中は素晴らしくなるで。

    That’s wha’ ol’ Pops keeps saying.”
    このオッチャンがいつも言ってるのはそういうことやねん。

 - 生き方-life

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